最優秀起業家賞
現代医学の検査では異常を発見できず、自覚症状もない。そんなごくきず、自覚症状もない。そんなごく初期段階にある病気を、血液中のタンパク質を分析して発見、治療するビジネスプランが、最優秀起業家賞を獲得した。金沢医科大発のベンチャー企業であるエムシープロット・バイオテクノロジー(内灘町)の友杉直久代表が提案したこのプランでは、人の体内にある20~200万種類ものタンパク質の中から、特定の病気にかかった際に変化するタンパク質の発現量を、最新の質量解析システムを使って測定し、病気の早期発見に生かす。現在、ガン、動脈硬化などの血管疾患、アルツハイマー病などの神経疾患の診断に有効なタンパク質の特定に向けて研究が進められている。こうしたタンパク質が見つかれば、血液を一滴入れるだけで診断できる簡易検査キットを製作するほか、病気を悪化させるタンパク質だけを取り除く薬の開発も進める予定にしている。同社はすでに、こうした技術を使って、ドライアイや口の渇きといった症状が特徴の自己免疫疾患であるシェーグレン症候群の診断をビジネス化しており、今後も実用化できるタンパク質の発見、特定に全力を挙げる構えだ。