最優秀起業家賞
最大600万円のスタートアップ補助金が交付される最優秀起業家賞に輝いた中山俊さんは医師同士をつなぐオンライン相談サービス「Antaa(アンター)」について発表した。
例えば、深夜に医師が一人で急患に対応し、専門外の症状の診療に不安がある場合などに、パソコンやスマートフォンから質問を投げかけると、登録する専門医からアドバイスを得ることができる。登録するには実名や勤務先、出身大学、医師免許などの情報を明示する必要があり、現在までに全国で約6,000人の医師が参加。発表時には十数分で回答が得られ、問題解決につながった事例などが紹介された。
このサービスは整形外科医として働く中山さん自身が、当直時に感じた不安を出発点に考案した。自治体や医療機関のほか、医師に情報提供の機会を設けることで、民間企業からも利用料を得ている。
石川県全体の医師数は全国平均を上回っているが、能登北部では不足しているなど、医師の偏在が問題となっていることから、中山さんは「Antaaを使って医師同士が互いにバックアップしあうことで、どこに住んでいても、どんな時間帯でも、患者さんが安心して医療を受けられる世界を作っていきたい」と意欲を燃やし、2023年には18億円の売り上げを目指している。