最優秀起業家賞
最大500万円のスタートアップ補助金が交付される最優秀起業家賞に輝いた只野さんは、認知症の改善や予防に効果が期待されるサプリメントについて発表した。
高齢化社会の到来により、認知症にかかる人の数は年々増加しているが、世界中を見渡しても認知症に効く医薬品の開発は進んでいない。この難題を解決しようと、只野さんが開発したのが、乳酸菌(EF−2001)と糖成分(1,5−AF)を 組み合わせた新たなサプリメント「まるちぺーすと」だ。
このサプリメントは腸や口腔内で脳機能を低下させる悪玉菌を抑制し、善玉菌を増やすのが特長だ。只野さんが高齢者施設で治験をした結果、軽度の認知症を患う高齢者が摂取すると6カ月後にほぼ正常な状態まで回復し、中等度からやや高度の状態でも正常値近くまで認知機能が改善した。現在、有効性を客観的に評価してもらうため、金沢大学と東京歯科大学で治験に取り組んでいる。
既に国内の医療機関などで販売しており、今後は台湾やベトナムのほか、アメリカでの販売も視野に入れている。只野さんは「健康長寿と医療費削減に貢献したい」と意気込み、2030年に10億円の売り上げを目標に掲げている。